クッションフロアの写真

【賃貸の床に傷を付けてしまった方へ】費用をかけないで退去する方法

 

以前私の勤めていた不動産屋の管理する物件に住んでいるお客様から

『フローリングの床に物を落として傷を付けてしまったのですが、どうすればいいですか!?』

と慌てて会社に連絡が入りました。

 

私が傷の程度を見に行ったのですが、不動産屋の目から見ると、それほど大きな傷ではありませんでした。

しかし入居者さんは退去するときに費用がどれくらいかかるのかわからないので大変不安そうにされていました。

たしかに不動産屋って悪徳なイメージありますし、大金を請求されたらどうしよう??という怖い気持ちはわかります、、、

 

今回はそのような人のためにも、少しでも疑問や不安を払拭できればと思います。

 

【賃貸の床傷対策①】小さな傷であれば心配無用!どこまでは許容範囲?

普通に生活をしていても、床にスマホを落として傷をつけてしまったり、模様替えでテーブルやテレビ台を動かす時に少し傷をつけてしまったり、気をつけていても一定期間以上住んでいれば、多少は傷がついてしまいます。

 

そんな、《あまり大きな傷でない》時の退去時の修繕費用は入居者が負担するものなのか、貸主がみてくれるものなのか、とても気になりますね。

賃貸物件の修繕負担のあり方についてのガイドラインを国土交通省で作っています。そちらを用いて説明していきますね〜!

 

用いるのは「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」という国が出しているルールブックのようなものです。

これは、原状回復に関して法律では何も決めていないので、ある程度入居者に不利にならないように作った、参考資料のようなものです。

 

そこにはこう示されています。

・賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用方法を超えるような使用による損耗等については、賃借人が負担すべき費用となる

誤って物を落としたりして傷がついたら入居者が修繕費用を負担するということですね。

 

・建物、設備等の自然的な劣化・損耗等(経年変化)及び賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)については、賃貸人が負担すべき費用となる

 

これは、自然に暮らしていて出来た傷や経年劣化などだったら大家さん負担ということが記載されています。

 

私たち不動産屋は入居時にお客様から退去時の修繕について聞かれた際、こう答えていました。

『タバコのヤニで床やクロスなど汚れたならお客様負担です!しかし長年冷蔵庫を置いていた床が劣化していても経年劣化なので大家さん負担です!』

『窓のサッシが古くて結露ができて湿気でフローリングが傷んでしまった場合は大家さん負担!しかしバスマットを引かなかったから、お風呂場前のフローリングが湿気で痛んでしまったらお客様負担です!』

と!

つまり

《普通に生活してついた傷なら全く問題ない》

ということになります。
皆さんくれぐれも、物などを投げて床に明らかな傷をつけてしまったり、DIYなどで床に穴をあけないように気をつけてくださいね!

 

【賃貸の床傷対策②】○年以上住めば、どれだけ傷つけても請求なし!?フローリングの経年劣化

上に挙げたような小さな生活上の傷ではなく、明らかに故意、過失の大きな傷をつけてしまった方も諦めないでください!

裏技があります。

《一定期間以上住めば》全て経年と見なしてもらえる場合があります。

 

例として壁紙で挙げますが物には耐用年数というものがあります。

壁紙ですと6年です。

6年経てば壁紙の価値は減価償却して価値がなくなり0円になります。

 

あなたが住んでいても住んでいなくても0円になりますということです。

つまりあなたが6年住めば壁紙がどんなに汚くても綺麗でも価値は0円です。

 

なので汚くても綺麗でも大家さん側に張り替える義務も発生しますし、あなたがどんなに汚しても壁紙の張り替えに対して費用を請求されることはありません!

 

それでは床、フローリングの場合ですがフローリングについてはフローリングに対しての耐用年数というのは無く、建物の造り別でフローリングの耐用年数が決まっています。

 

以下にまとめました。ご覧ください。

木造:22年
軽量鉄骨造:19年
鉄骨造(S造):34年
鉄筋コンクリート(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):47年

となっています。

この期間住めばフローリングは減価償却し価値が0円になり、例え全面張り替えしなくてはならない程に劣化していても請求されることはありません。

 

しかし《フローリングの耐用年数を考慮しない場合》もあるのです。

どのような場合に考慮されないかというとフローリングの一部を補修する場合なんです。

 

一部を補修する場合には耐用年数が考慮されないので注意してください。

 

【賃貸の床傷対策③】一撃必殺!火災保険を活用

 

賃貸住宅を借りるときに加入する火災保険。

必須の場合も多く契約時の初期費用に含まれているし何げなく申し込み時に入る人も多いかと思います。

皆さん、この火災保険は火事の時にしか役に立たないと思っていませんか?実は火災保険の種類にもよりますが、火事や災害以外にもこの保険が役に立つ場合があります。

詳しく見ていきたいと思います。

 

皆さんあまり知らないと思いますが賃貸物件で加入する火災保険の保険契約には《オプションとして賃貸物件で役立つ補償》が組み込まれている場合があります。

それは修理費用特約というものです。

 

認知度が低いため、あまり耳にしたことがないですよね。

この修理費用特約というのは《物件を借りた人が自己負担で修理を行った場合に適用》される保険です。

 

そうなんです。

退去時に大家さんや管理会社から請求された金額を保険で補うことができるかもしれないんです!

 

皆さん今すぐ加入した火災保険会社にお問い合わせしてみてください

 

もし特約が組み込まれていた場合は修理費用特約の申請は無料ですし何度申請しても保険料が車の保険のように値上がりすることもありませんので、安心して申請してください。

 

せっかく何万円も保険料を支払っているのですから補償内でしたらきっちり請求しないと損ですよね!

 

退去時の負担をなるべく減らすためにも皆さんご確認ください!思わぬところで節約ができるかもしれませんよ!

 

【賃貸の床傷対策④】わりと簡単!自分で修復しちゃう

私も一人暮らししている時によくやっていました。

あまりに大きすぎない傷ならこれが一番楽で簡単です。

 

ホームセンターに行くとフローリングの傷を消すためのグッズが何種類も販売されています。

ネットでも販売していますが床の色味と補修グッズの色味が違うとかえって目立ってしまいますので、ネットで購入するとしてもまずホームセンターで色合いをみて購入されることをオススメします!

 

個人的にオススメな商品があります!

 

ハウスボックス イージーリペアスティック

ひっかいた様な小さな傷なら《ハウスボックス イージーリペアスティック》がおすすめです!安価です。

500円程で手に入ります。

 

ハウスボックス イージーリペアキット

すこし抉れてしまったような深い傷でしたら《ハウスボックス イージーリペアキット》をオススメします。

クレヨンのようなものを傷に埋め込み補修します。

お手軽ですし技術もいりません。

 

布とアイロン

他には少し技術がいるのですがへこみを治す方法もあります!用意するものは当て布とアイロンです!

水で濡らした当て布をフローリングのへこんだ部分に置き当て布の上からアイロンを当てて蒸す。これだけです。

 

当てすぎると床が変色したり焦げるリスクもありますのでDIYなどに慣れていたり少し器用な方にオススメさる方法です。

 

そしてこれが出来るのは木でできているフローリング限定なので気をつけてください。

 

今流行りのクッションフロアや木目調のビニールクロスのフローリングですと使うことができません。

 

また傷がつく前に防止するグッズも沢山販売されていますので最初に防止グッズを使っておくのも手ですね!

今ではフローリングの上に引く大理石柄のクッションフロアなど安価で販売されていますのでそれさえ敷いてしまえば床の傷の心配は皆無ですね。

少しの努力で修繕費が減るなら良いですよね!

修繕グッズを一度購入すれば次の物件でも使えますし、是非試してみてください!

 

【賃貸の床傷対策⑤】入居前からあった傷はどうなるの?

こちらも良く内覧時にお客様から聞かれます。

新築かフローリングが新品ではない限り大体どこかしらの床に傷がついています。

 

入居前に既に床に傷がついていることに気付いたときにはどうすれば良いのでしょうか?

放っておいたらあなたが付けた傷だと思われ退去するときにその傷の修繕を求められるかもしれませんよね。

そうならないための対処法をここでお教えします!!

 

これは大家さんによるのですが、大体大手の管理会社の物件ですと、入居時に元々あった傷をチェックして下さいって紙を渡されます。

 

物件図面のような紙です。

そこに床の傷もそうですが汚れや剥がれなどをチェックし管理会社に入居してから一カ月以内に送ります。

 

チェックの紙を貰えなかった方も上記同様に傷や汚れをチェックし、出来ればスマホやデジカメで撮影して管理会社に送ると良いでしょう。

入居してからすぐに送ることをオススメします。

 

なぜかというと写真を撮ったりチェックはしても自分で退去の日まで保管しただけでは、いざ退去時にその紙や証拠を出してもいつ撮影したのか、いつ記録したかと疑われてしまいます。

ですので入居して直ぐに管理会社に送ることが有効です。

 

 

皆さん如何でしたか!?

退去時に敷金満額で帰ってきたらすごい嬉しくないですか!?

大家さんや管理会社によって敷金やクリーニング費用、修繕費用などへの考え方は様々です。

変な大家さんに当たると大金を請求される可能性も非常に高いです!

 

なので皆さん!再度頭に入れてくださいね!

敷金はそもそも《大きな過失がなく普通に暮らしていたら還ってくるもの》ですからね!

 

しっかり知識をいれて退去立会いの際管理会社や大家さんに余計なお金を請求されないように気をつけてくださいね〜!!!