【賃貸の原状回復費用】入居者の負担範囲は?極限まで安くする方法

  • 退去時に高額請求!原状回復費用を安くする方法はない!?

 

  • 退去時に困らないために入居時にできる対策はある?ない?

 

  • 原状回復費用を支払わないままにしておくとどうなるの??

今回は賃貸物件における、原状回復費用について以上の疑問を詳しく解説していきたいと思います!

 

【原状回復費用を安くする方法①】ガイドラインの内容をわかりやすく解説!実はクリーニング費用だけでいい!?

賃貸契約における退去時のトラブルは年々増加傾向にあるようで、後を絶ちません。

原状回復に関してのトラブルが年々増加するグラフの写真

賃貸契約で退去時のトラブルを起こさない為に東京都では『賃貸住宅トラブル防止ガイドライン』を作成しています。通称東京ルール

少し難しそうな響きですがこちらでは、この東京ルールをわかりやすく解説していきたいと思います!

 

まずはトラブルにならない為に知りたい事は原状回復とはどこからどこまで大家さん負担で、どこからが入居者負担なのかですよね!!

その範囲について説明していきます。

東京ルールのガイドラインではこう示されています。
以下の1から3をご覧ください。

 

①経年劣化:建物・設備等の自然的な劣化、損耗等

②通常損耗:借主の通常の使用により生ずる損耗等

③1,2以外の理由による損耗等:借主の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等

1、2については、借主に原状回復費用を支払う義務はなく大家さんが払う費用となります。

1.2のような経年劣化や通常に使用してできた損耗の修繕費は家賃に含まれているとされています。

 

3のように借主の故意過失でできた通常損耗以上の損耗、例えば誤って重たいものを落としてしまった際のフローリングの凹みや、タバコを室内で吸ったことによるヤニ汚れ、ペットを飼育した為に発生した臭いなどです。これらは借主の負担になります。

心配する男性

負担範囲はお分かり頂けましたか?

つまり東京ルールに則って考えると退去時に賃貸物件が通常損耗と経年劣化のみで故意過失の汚れや損耗がなければ【ハウスクリーニング代のみで良い!】ということになります!

 

契約書に原状回復費用を請求するなどの特約記載があっても、故意過失の損耗がなければ、ルームクリーニング費用以上の金額を請求する権利は大家さんにはありません。

それは消費者の利害を一方的に害する条件ですので、その契約は無効となります。

管理会社に特約のことを言われても東京ルールを読みました!それは違反です!と言ってやってくださいね!

 

 

【原状回復費用を安くする方法②】騙されないための契約書から読み解く原状回復範囲とは!入居前にできる対策

綺麗に使っていたら敷金は戻ってくるって言っていたのに!「戻ってこない」「クリーニング代、敷金一カ月では足りないからと、さらに追加請求された」というトラブルは多数。

 

残念ながら、「壁紙の張り替え代金や通常損耗した建具や設備の修繕費用、その他ハウスクリーニング代などは全部敷金から支払う」という、大家さんに有利な習慣が、長い間まかり通ってきたのが現状です。

泣き寝入りしないために契約書から読み解く原状回復範囲についてお教えします!

 

現在の法律では、通常損耗による「原状回復費」は請求できなくなってきています。

つまり、普通に使っている場合の経年劣化や経年変化分の請求はできませんので、クリーニング費用ぐらいです。

クリーニング費用は1平米で1000〜1200円が相場です。お住いの物件と比較して請求されたクリーニング費用が適正かどうか調べてみてくださいね!

 

それ以外に契約上で決められることがあります。それは契約書の【特約】などです。

原状回復ガイドラインより、契約書の特約の方が効力を強く発揮します!

何でも大家さんの好きに特約に出来る訳ではありませんが、契約書に記載があり双方の合意で結ばれた特約はある程度法律的には有効となってしまいます。

ですので、変な特約を入れ込まれていないか契約時に契約書に記載されている特約をキチンと確認してください。

大家さんに有利な特約が組まれている場合は契約書の判を押さずに納得するまで説明を受けることにしましょう!納得いかなければ『不利な特約があるので契約できない』と大家さんに伝え変更がなければ契約しないことも考えましょう!

 

 

【原状回復費用を安くする方法③】簡単にできる傷を付けない部屋作り

退去時に故意過失の傷を残さない為にも入居時に部屋に傷がつかないように対策をしておくのも一つの手だと思います!ここでは、賃貸物件でも簡単にできる物件に傷をつけない方法を紹介していきます!

 

床の傷防止に 〜クッションフロア〜

傷防止策クッションフロアの写真

フローリングを傷から守るためには居住スペースのフローリングの上に何かを敷いてしまうのが一番簡単でしょう!オススメはクッションフロアです。子供部屋に敷き詰めるようなスポンジ状のあれですね!

 

クッションフロアはカーペットとは違い厚みがあるので傷防止には最適です。

また安価でお部屋のサイズに合わせてジョイントしたりハサミでカットできますので、DIYなどが苦手な人にもオススメしたい方法です!

冷蔵庫や大きな家具はクッションフロアの上に置き、更に耐震マットなども下に挟んでおくと安心ですよ!

 

壁の傷防止に 〜貼ってはがせる壁紙を貼る〜

お部屋のクロスを傷から守る方法は、壁紙やホームセンターなどで入手できるキズ・汚れを防ぐ壁紙の上から貼れるシートをクロスの上から貼ってしまうことです!

賃貸で100均リメイクシートを使って失敗…原状回復時に苦労しない方法でDIYについての注意点も記事にしてますので参考にしてみて下さい。

貼ってはがせる壁紙シートの写真

 

つまり元々のクロスを剥がせるクロスで丸々覆い隠してしまうんですね!これを入居時に貼っておけば多少タバコを吸う人でもヤニ汚れを気にしなくて良いですし、誤ってクロスを汚してしまっても退去時に壁紙を剥がせば良いだけなのでお手軽です。

キズ・汚れを防ぐクロスシートは安価ですが、カラーのバリエーションがなく白いだけのシートなので味気ないです。

傷を防止しながらオシャレさも大切にしたい方は壁紙屋本舗の貼って剥がせる壁紙を強くオススメします!無地からコンクリート打ちっ放し柄、ウッド柄やタイル柄、レンガ柄まで豊富なバリエーションがありますので、必ず気にいる柄に出会えると思いますよ!

壁紙屋本舗 楽天市場店とかで購入可能ですので見てみて下さい〜

 

 

【原状回復費用を安くする方法④】傷を付けても大丈夫!原状回復で損しない対策

『もう入居済みだから事前対策はできない、、手遅れだった、、』というあなたも大丈夫です!原状回復費用を減らすために退去時にも出来ることが2つあります!

【賃貸の原状回復費用】入居者の負担範囲は?極限まで安くする方法」で詳しく記事を書いていますのでそちらも参考にしてみて下さい。

 

 

 

傷をつけてしまった時の対策 その1 自分で修復

明らかに故意過失な床の傷や、クロスの傷があってもひどくない場合は自分で修復することができます!ルームクリーニング費用だけで済ませる為に直せる傷は自分で直して仕舞いましょう!

傷を修復してきれいになった写真

 

【フローリングの傷】

傷が軽症の場合

フローリングの傷には『かくれん棒』という補修剤がオススメです!かくれん棒はホームセンターやインターネットなどで購入することができます。

フローリングの傷のための『かくれん棒』の写真

補修剤はホームセンターで購入することができますよ。単色で購入すると400円程度と安価です。しかしフローリングの色を忠実に再現したい場合は、かくれん棒セットを購入し、色のブレンドした方がよりバレにくいでしょう。

かくれん棒セットは数回使用したくらいでは無くなりませんので一度購入すれば、次のお部屋でも使うことができます。

 

傷が重症の場合

少し抉れているような深いフローリングの傷には『キズなおしま専科』がオススメです。

キズなおしま専科の写真

かくれん棒より値段は上がりますがキズなおしま専科を使えば、大きく深い傷でもきれいに補修することができます。

少し技術は必要ですが、本格的に直したい方にはおすすめです!

 

【クロスの傷】

小さめの傷・はがれや画鋲の穴には、なんと文房具の修正テープが有効です。修正テープを気になる箇所に貼り付けて指で押し込むように貼り付ければ目立たなくなります!

少し大きめの傷にはホームセーターでパテなどの補修材を購入し埋め込むことをオススメします!ただし、補修材や修正テープは通常のクロスの色とは馴染みますが、アクセントクロスなどお洒落な壁紙の賃貸に住んでいる方は色が壁紙と合わないので注意が必要です。

 

傷をつけてしまった時の対策 その2 保険を使う

賃貸契約を結ぶ際に多くの方が家財保険や借家人賠償責任補償への加入を求められたかと思います。なんとなく必須と思って加入した借家人賠償補償は、実は大家さんである貸主に対して、あなたの賠償責任が発生した場合に適用される補償なんです!

賃貸借契約の書類

 

例えると、火災や災害、水漏れや設備の破損、そして退去時の修繕費用をまかなうことができます。借家人賠償責任補償は補償範囲の広い非常な便利な補償です。しかし借家人賠償責任補償は認知度が低いのか、加入している事自体を忘れてしまっているのか、請求漏れが非常に多いです。

 

賃貸契約時の火災保険を徹底調査!知らないと大損します」で詳しく記事を書いているので参考にしてみて下さい。

 

 

あなたが賃貸契約時に借家人賠償責任補償に加入したかどうかは契約書類を見るとわかりますので、一度ご確認ください!

借家人賠償責任補償に加入していなかった方、大丈夫です。他の保険が適用できる場合があります。それは「修理費用特約」です。

 

借家人賠償責任補償より一層と認知度が低いですが、こちらは賃貸契約の際に結ぶ火災保険のオプションとして組み込まれている場合があります。

火災保険は誰しもが加入すると思いますが、保険会社によりオプションの違いがありますので、まずは加入してみる保険会社に連絡してみることをオススメします!

火災保険は車の保険などとは違い何度申請しても保険料が上がることはありません。

本来適用されるはずの保険の請求漏れは非常にもったいないです!せっかく加入した数万円の保険料が損になってしまいますので、補償内容をしっかり理解して必要なときはしっかりと請求してくださいね!

 

 

 

【原状回復費用を安くする方法⑤】費用の相場は?払わないで放置しているとどうなる??

退去費用の相場はクリーニング代については1平米 1200円前後が相場です。

原状回復のクリーニング費用坪単価を勉強する男性

20平米の物件なら24000円ほどなら相場ということです。またタバコのヤニ焼けでクロス全交換は1Kマンションの場合7万円ほどが相場と言われています。

原状回復費用やクリーニング代金を払わないで放置していると最悪大家さん側から法的措置を取られる場合があります。しかし、退去費用について納得できないから支払いを拒否したい場合相談できるところはあります。

「都市整備局」や「消費生活総合センター」という名称で各都道府県にあります。

東京都にお住まいの方であれば、都市整備局の「東京都不動産取引特別相談室」がオススメです。13時~16時の間に賃貸について弁護士相談を受ける事ができます。

こちらで相談して、あなたが有利と判断された場合はそれらの書面を大家さんや管理会社に送ってください。最悪少額訴訟を起こしますよ!と少し強気に出ても良いでしょう!あなたが不利になってしまいますので間違っても支払わないで放置にだけはしないでくださいね!

 

皆さん如何でしたか?

普通損耗でしたら入居者の負担範囲はクリーニング代の支払いのみというお話でした!

借主が全てを修繕するという昔ながらの退去時のルールに呑まれずにガイドラインを参考に不当な請求を受けないように気をつけてくださいね!

それでは、また!