- 耐震性のある物件に住みたい!
- 安くなり始める築年数は何年なの?
- 築年数が浅い物件のメリット・デメリットは?
今回は元不動産屋の私が物件を選ぶ際のいろいろな項目の着眼点についてまとめてみました!
【賃貸の築年数①】どのくらい経てばで家賃はいくら位落ちる?狙い目の築年数は?
同じ賃料で同じ条件の物件に住むことができるのなら、なるべく古い物件より新しい物件に住みたいですよね!
しかし残念ながら賃貸物件は一般的には築年数が古くなればなるほど家賃が安くなり、新しければ新しいほど高くなるという特徴があります。
もう少し詳しく見ていきましょう。
家賃の下落率ってどんな感じなの?
ざっくりと言ってしまうと、10年で1割の下落、20年で2割の下落です。
ですので、家賃10万円の物件が10年経つと家賃9万円になるということです。
但し、そんなに単純ではなく、「新築プレミア価格」があったりするので実際には新築から最初の10年間というのが最も減少率は高いです。
「新築プレミア価格」というのは、部屋を探す人の中には誰も住んだことがない物件だけを好んで選び、その条件はお金より大事だという人がいます。
女性とかには結構多いかもしれませんね。
そのため、少し高くても借り手がつくということです。ちなみに減少率の詳細は以下になります。
一人暮らしタイプの部屋に関して言うと、賃料の下落は3つの段階に分けられまして、
1.第一段階 築3~10年 年下落率 約1.7%
2.第二段階 築11~20年 年下落率 約0.6%
3.第三段階 築21年以降 年下落率 ほぼ横ばい
新築後の10年間が、最も下落率が高く、築20年を超えると安定すると言われています。
ということは、新築物件から10年経過を考えると、、、賃料10万円の物件は築10年で8万3千円までいっきに下落して、それ以降は緩やか〜に下がっていく、という感じです。
結局オススメは築何年くらい?
お金はあまり出せないけど、なるべく新しい物件に住みたい!と思う方はずばり【築10年】あたりの物件が狙い目になります。
理由は先程の家賃の減少率と物件の新しさです。
築10年ほどが経過してくると、まず外気にさらされている外観部分の劣化がはじまってきますが、3年〜10年くらいはわりと綺麗さの面でみても同じくらいのイメージがあります。
また、そして10年という年月が経つとフローリングやクロスなどの内装が一度減価償却し価値がなくなるタイミングでもありますので、大家さんも家賃の見直しを検討し始める時期なのです。
築10年の物件も15年の物件も家賃はあまり変わらない傾向にありますので、狙い目は新築の家賃から家賃が改定されたばかりの築10年でしょう!
【賃貸の築年数②】耐震性は?マンション・アパートと違うの?
続いて耐震性についてです。
賃貸物件はざっくり分けると2つになります。
それは【マンション】と【アパート】です。
マンションとアパートの違いは何かというと構造にあります。
建物の構造が木造、軽量鉄骨の場合はアパート鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の場合はマンションと呼びます。
この項では建物の構造それぞれの耐震性の特徴をまとめました。
木造・軽量鉄骨の場合
木造や軽量鉄骨のアパート住宅は一般的に耐震性がマンションより劣っていると思われがちですが、材質に軽さとしなやかさがあるため、地震の揺れが小さくなるというメリットがあります。
2000年(平成12年)に耐震基準が改正されており、その際に木造住宅の耐震性に関わる改正があったため、1981年以前と以降だけでなく、2000年以前と以降でも木造住宅の耐震性が変わってきます。木造だけど耐震性に拘りたい方は2000年以降に建設された物件を選びましょう!
鉄骨造の場合
鉄骨造は鉄や鋼を用いた構造をしています。
鉄・鋼は粘りによって地震の揺れを吸収するので、耐震性があることが特徴です。しかし鉄・鋼は摂氏540℃前後で急激に強度がなくなってしまいますので、地震により火災が起こってしまった場合、消火が遅れると倒壊する危険性があるので注意しましょう!
鉄筋コンクリート造の場合
上にある鉄骨造の鉄・鋼に加え、コンクリートで補強している構造のことです。鉄筋は引っ張る力、コンクリートは耐圧縮性を持っているので、かやり大きな地震でも耐えることができます。木造などと比べると建物自体の重量が大きいため地震の揺れは一番大きくなりますが、耐震性はかなり高いでしょう。
鉄筋鉄骨コンクリート造の場合
こちらは主に高層マンションで採用されている構造です。柱・梁で鉄骨を組んで、その周りに鉄筋コンクリートを配置したあとコンクリートを流しこむ構造です。今まであげた構造の中でも最も強度が高く、耐震性も優れています。
【賃貸の築年数③】新築・10年・30年・50年の綺麗さや特徴はどう?
築年数と共に家賃が値下がりする理由は、時間の経過により建物自体の綺麗さや価値が下がって設備が劣化していくからです。
この項では築年数と共に劣化しやすい部分や特徴について解説していきます!
新築
新築ですので未入居の状態です。文句なしに綺麗ですし、設備面についても充実しているでしょう。
新築の場合は誰も1回も住んでいないため、使ってみないと分からない初期不良のトラブルが比較的多いことが特徴です。
例えばお湯が出ないことやネットに繋がらないトラブルなどです。新築物件では、すぐにそれらのトラブルが改善しないことも頭にいれて入居したほうが良いでしょう。
築10年
築10年になると設備は古いとまでは言いませんが、外気にさらされ続けた外観が少し劣化して築浅物件とは言いにくい状態になってきます。
10年経つと設備面の交換が気になってくる時期です。例えば一般的には、ガス給湯器は10年で交換して、電気給湯器で15年で交換が目安と言われています。
築年数が10年前後の物件で、給湯器やエアコンの交換が一度も行われていない場合は入居前に大家さんと交渉して交換をお願いした方が良いでしょう。
築30年
建物の構造にもよりますが、築30年を経過すると建物が老朽化している可能性が高くなってきます。
建物のリフォームをしていても構造自体が古い物件が多いことが特徴です。例えばお風呂はリフォーム済みで給湯器であってもタイル貼りの昔のお風呂だったり、洗面所も蛇口でお湯がでない可能性もあるでしょう。
築50年
築50年を経過した物件は古さもありますが、それよりも耐震性が気になってきます。耐震基準法が改定される前に建築された物件ですので、大きな地震で倒壊する場合が多いです。
この築年数で賃貸にまだ出し続けている場合ですと逆にフルリフォームしていて見た目や設備だけは綺麗な物件が多いことが特徴です。
しかし上部が綺麗なだけでは困りますので、入居前にリフォームと共にしっかり物件の耐震補強しているか、していないかについて聞いてみることが大切でしょう。
【築年数が新しい物件のメリット・デメリット】
この項では築年数が新しい物件のメリット・デメリットについて解説していきます!まずは、メリットからです!
築年数が新しい物件のメリット
[メリット]
・設備が多い
・綺麗
・外観が新しい
築年数が新しい物件の最大のメリットはなんといっても、最新の設備が搭載されていて、どこをみても綺麗なところでしょう。共用スペースも最新の物件なら分譲マンションのように綺麗にしてある場合も多いです。
1ランク上の生活ができるでしょう。
築年数が新しい物件のデメリット
続いて築年数が新しい物件のデメリットです。
[デメリット]
・家賃が高い
・物件数が少ない
・人気物件なのでなくなるのが早い
一番のデメリットは家賃が高く、物件数が少ないことです。新築物件だけで探した場合、人気の駅は別ですが、普通の駅でしたら毎年新築物件は1棟あるかないかくらいのレベルです。そんな新築物件は競争率も高く、分譲マンションのようにモデルルームを見ただけで即決する場合もあるくらい、なくなるのが早いです。
そして家賃ですが同じ条件の新築と通常の物件を比べると最大で1万円ほど家賃に違いが出てきます。家賃にいくらでも使える人なら良いと思うのですが、なかなか少なく難しいでしょう。
【築年数が古い物件のメリット・デメリット】
この項では築年数の古い物件のメリット・デメリットについて解説していきます!まずは、メリットからです!
築年数が古い物件のメリット
[メリット]
・家賃が安い
・物件数が多い
・収納が広い
・和室が広い
築年数の古い物件のメリットはなんといっても賃料が安く物件数が多いことにあります!
不動産情報サイトで若者に人気の街、下北沢について検索をしてみました。
家賃7万円で条件は駅から徒歩10分、25平米以上、バストイレ別、築年数は10年以内で調べたところ検索にヒットした物件は15件でした。そのうちの殆どが7万円近い家賃の物件でした。
築年数の条件をはずしてみたところ、最低家賃は1万円以上安くなり、物件数は100件以上にもなりました!
築年数が浅ければ浅いほど綺麗ですが、現在ではリフォームを入れている物件やフルリノベーションといって新築同様になっていあり独立洗面台やシステムキッチンなどの人気の設備が新設された賃貸物件も少なくありません。そのような隠れた新築のような築年数の古い物件も山ほどあります。
物件を選べる範囲が広がるのはとても大きなメリットだとおもいますよ!
そして意外と知られていないメリットは古い物件の方が作りが広いということです!図面からは読み取ることは難しいですが新築物件のクローゼットはハンガーほどの奥行きの場合が多いです。
変わって築年数がある物件のクローゼットは押入れをリフォームしたクローゼットの場合が多いので、お布団を畳んでしまえるほどの奥行きがあるのです。衣装ケースやお客さん用布団など築年数のあるクローゼットだと楽々しまうことができます。
また和室もおなじです。築年数が古い賃貸物件の和室は1畳の畳のサイズが大きい昔の畳を使っている場合が多いです。そのため、同じ六畳という表記でも少し平米数が広いお得物件が存在します。
築年数が古い物件のデメリット
続いて古い物件のデメリットについてです。
[デメリット]
・設備が古い
・綺麗じゃない箇所がある
・虫が出る場合がある
古い賃貸物件は、新築に比べて求める設備(システムキッチンやウォシュレット、独立洗面台やオートロック、24時間換気システムやモニター付きインターホンなど)が少なかったり建具の古さから掃除していても汚れて見えたりする場合もあります。
そして建物の経年劣化や古い配管などが原因で、築年数が古い物件の方が虫が出やすいと言われています。
しかし工夫次第でどうとでもなりそうですよね。ウォシュレットなどは大家さんの許可が下りれば取り付けることは可能ですし、簡易的なモニター付インターホンもネットで販売しています。
虫に遭遇したくない方は一度バルサンなどをたいてみるのも効果的でしょう。
【さいごに】
今回は築年数だけでは見えてこない賃貸物件のプロならではの着眼点についてまとめさせて頂きました!
築年数は確かに大切ですが、耐震性さえクリアしてしまえば古い物件にも大きなメリットがあります。
最近の若い方は古い物件でも、さまざまなアレンジをしてオシャレに住んでいる方も多いようです。
古い物件でもアレンジ次第で安くオシャレに暮らすことができるなら、それが一番ですよね!
ある程度のチェックポイントさえクリアしていれば築年数にこだわらずに、お部屋を探してみるのも一つの手ですよ!皆さん、良いお部屋を見つけてくださいね!
それでは、また!