- IT重説ってなに?
- IT重説で私にとって良い事があるの?
- 逆に悪いことは?
まだまだ、知らない方の多いIT重説!
今回はそのIT重説に関して、入居者にとって必要な情報を中心に解説していきたいと思います。
なぜIT重説が出来た?背景は?
対面を原則としてきた、重要事項説明をテレビ会議等のITを活用して行う「IT重説」が、賃貸契約に関してのみ本格的に普及してきました。
重要事項説明書に関しては、「賃貸借契約書のココだけ絶対みろ!【注意点厳選7個】」の重説パートを見て頂ければ契約書と共に理解することが出来ますので参考にしてみて下さい!
重説に関わる場所や時間の成約がなくなることによるユーザーの利便性向上、事業者(宅建業者≒仲介業者)の業務効率向上などを期待して導入する会社が増えてきてきていますが、ITのスキルの低さやトラブルリスクを理由に、まだまだ普及しきれていないのが現状とも言えます。
IT重説は明らかに、業者にとってもユーザーにとっても便利なツール(契約方法)になるのに普及が遅れているのは、IT自体に抵抗がありと遅れを取る不動産業界ならではの悪しき風習であり、独特な挙動のようにも感じます。
今まではIT重説が出来なかったのはなぜ?
これは、宅建業法という不動産に関する特別な法律で決められていたからです。
もう少し細かく説明すると、宅地建物取引業法35条(重要事項説明書)のルールとして
「書面を交付し、説明をさせなければならない」
とされています。
「交付」し、「説明」するためには「対面」しなければならない、これが「重要事項説明の対面原則」をいう解釈の基礎となっていると言われています。
ん?これだと、IT重説でもよくない?と思われると思いますが、そうではありません。
ITツールでは画像や音声の質が悪く、遠隔地をこのような回線でつないで「説明」することを、「対面」として認めていませんでした。
ただし、近年のIT技術の進展により、その「対面」と同等と認められるようになったという背景があります。
そのため、遠隔地の入居者に対しての重要事項説明は、仲介業者が入居者の住んでいる家の近くまで出向くか、よくあるのは仲介業者の事務所まで契約のために出向く、というのが原則でした。
これが、ユーザーの利便性や仲介業者(事業者)の業務効率を阻害している
と一部の団体が気づいたみたいです。今更、、、、笑
もう、あまりにもITに疎い業界というのが露呈する低レベルな内容だと私は思います。
ここまで来ると、頭のいい人達が意図して不動産業界のIT化を進めないようにしていたのではないかとさえ思います。
IT重説を行うにあたっての必要なIT環境
IT重説を行うために必要な環境は、基本的には「IT通信状態でも、しっかりと明確に音声と画質を認識できればいい」です!
そこをクリアできれば、別に自分の持っているiphone1台で完結することも可能です。
とはいえ、一応進められている環境の定義がありますので、確認していきましょう!
画面
【取引士】
IT重説の最中に、自らがどのように説明の相手方側でみえているか確認出来るよう、ワイプ画面で自信の画像も表示されていることが良いとされている。
【説明の相手方】
IT重説で用いるカメラは、取引士証の写真と文字が明確に判別できる程度に、相手方の画面に映し出されていることが必要である。
カメラ
十分な性能(解像度など)を有する必要がある。
マイク
取引し及び滅名の相手方の音声の内容を判別するのに十分な性能を有する必要がある。また、外部接続のアイクは、音声が相手方の端末で出力されるか、事前に確認することが重要である。
音響機器
説明や質問等の内容が判別できる十分な性能を有する必要がある。
端末
実施する端末や使用するOSの種類について特定のものである必要はない。
インターネットに接続して利用することが多いため、セキュリティを確保する必要がある。
インターネット環境
宅建業者及び説明の相手方が動画及び音声を一体的な一連のものとして送受信できること。(静止画が数秒続く、等)また、重説の開始から終了までの間、継続してその品質を維持すること。
ソフトウェア
双方向でやりとりできるIT環境において実施する必要なある。
IT重説のメリットは?
口コミベースでメリットをまとめてみました!
業者側
・忙しい時間を避けることで、他の顧客の対応に当てられる時間を増やすことで、スタッフの時間の有効活用が実現しています。
・Web内覧等と組み合わせることが可能で、一度も来店しなくても契約が可能で革新的
お客さん側
・業務時間外でも対応してくれた!
・交通費の節約になってありがたい。
・地方からわざわざ何度も店舗に行く手間が省けて便利
・学生は日帰りとかも多いため、体力的にもコスト的にも助かっている
・時間に融通がきくため、学生でも両親も重説に参加できてはじめての契約ごとでも心配なく契約できた!
IT重説のデメリットや問題となりそうな点は?
口コミベースでデメリットや問題となりそうな点をまとめてみました。
ちなみに、このIT重説が始まってしばらく経ちますがIT重説がきっかけで大きな問題に発展した事例は今の所ないようです!!
業者側
・ITリテラシーがないから導入への障壁がある
・音声が途切れたりして、それを復旧するのが大変だった
・PCに付属しているカメラや、安物のカメラでは解像度が足りず、新しくカメラを購入することになった
お客さん側
・アプリをわざわざインストールさせられたりして面倒だった
・LINEとかで出来るようになってほしい
・スマホで通信量がたりなくて、一時音声が途切れてしまった
重説自体をよく知らない方も多く、IT重説を不安に思う方も少なくないため、そこの心理的ハードルをいかにさげていくかも大きな障壁だと思います。
【IT重説に関してのQ&A】
Q1:実施場所の制限は?
実施場所の制約はありませんが、視界不良となる場所や周囲の雑音が入るような場所は避けるべきだと考えられています。
Q2:国外でも可能?
可能です。ただし、相手方(国外側)が所在する国の法令の規定その他の制限に留意は必要です。
Q3:重説の本書の事前送付必要?電子ファイルでもいいの?
取引士が指名押印した書面が必ず必要になります。電子ファイルは認められておりません。
Q4:IT重説するよ!の事前同意はなきゃダメ?
口頭でもKです。ただし、後のトラブル防止の観点から同意書等の形で形跡として残すことが望ましいとされています。
Q5:録音・録画とかされるの?
個人情報にあたるため、業者から「録音・録画してもいいですか?」と同意を取る必要があります。
Q6:iphoneとかスマホでもよい?
良いです。ただし、これまでも紹介してきたようにある程度の通信量が必要になります。
5Gの時代も来るので、ココらへんは直に解決していきそうですね。