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バンドマンにはきをつけろ!


〜元不動産屋が語る物件探しのトラブルについて〜

私は小田急線下北沢駅の不動産屋で5年働いていました。人気の街下北沢です。住みたい街No.1です。営業マンとしては楽そうだと思いませんか?だって住みたい街No.1ですから。ダメな営業マンでもどんどんお客さんが来てサクサク稼げそうですよね?確かに物件自体はすぐに決まるんです。街自体は古いので古くて安い物件から高所得向けの綺麗目なマンションまで幅広くありますので。
ですが入居には審査が伴います。審査が通らない方結構いるんです。せっかく良い物件を見つけても審査に通らなければ入居できません。そんな事は絶対避けたいですね!今回は私の担当したお客様を例に審査に中々通らない事例を3つご紹介させていただきます。

事例その1.フリーターのバンドマン

下北沢特有でしょうか?バンドマンが異様に多かったです。プロの方も数名見たことはありますが大体探しにいらっしゃるのはアマチュアの方です。アマチュアの方ですとバンド活動のみの収入では生活はできず、かと言って正社員になるほどの時間は取れないので大体の方は派遣かフリーターかと思います。派遣、フリーターの方を審査に通すのは中々大変です。大家さんも安定した収入が欲しいですし、滞納は避けたいので嫌厭します。硬い仕事をしている立派な保証人がつけば納得してくれる大家さんも居ますが、なかなか難しいのが現状です。
ですがフリーターの方も審査に通りやすくなってきました。それは【保証会社】に加入することです。ただ保証会社に入るにはカード審査が必要です。これから部屋を借りようとしているフリーターの方はカード延滞などでブラックリストにはならないように気をつけてください。

バンドマンの話に戻りますがあとは音の問題です。基本的にファミリー向けのマンションでもない限り賃貸物件への楽器の持ち込みは不可です。契約書にも記載している場合が多いです。バンドマンの方が持ち込みたいのはピアノなど大きなものではなくエレキギターだったので大家さんにギターの事は秘密にしましょう!家で弾くならアンプに繋がないでこっそり弾いてくださいね。と暗黙の了解で私との話はまとまっていたのですが、いざ大家さんと契約!となった時に、これからスタジオで練習なんですよ!と笑いながらギターを担いで来た時は驚きました(笑)勿論その契約は破綻になりました。

事例その2.外国人留学生

小田急線沿線には沢山の大学や専門学校があります。海外でも下北沢はサブカルチャーの聖地、お洒落な街と紹介されるので少しリッチな留学生が続々と部屋を探しに訪れます。
下北沢の物件は地主タイプの大家さんがとても多いので、大家さんのお家と物件がすごく近い場合が多いです。例えば【高橋ハイツ】という物件名だったら高確率で一階が大家さんです(笑)二階を賃貸用に貸していたりするんですね。大家さんが近くにいれば朝すれ違えば挨拶位はすることになると思いますし、ゴミ出しの仕方が悪かったり騒音問題があると自然と大家さんと関わることが多くなってきます。そうした時大家さんにとって外国人の方だと問題があります。大体の外国人留学生は日本語を学びにきています。そうです!日本語が殆ど話せないのです。意思疎通が取れないので大家さんは勿論嫌がります。それに大家さんは殆どが高齢の方なので私達若い世代のように外国の方を受け入れられないんです。一つ忘れられない案件があります。とても日本語が上手く両親も日本で教師をしている内容のしっかりしたインド人留学生がお部屋を探しにきました。私は流石にこの審査は通せるだろうと思っていました。しかし審査に落ちました。理由を聞いてみるとインド人の方ってお料理にスパイスを沢山使うから物件に臭いがついてしまいそうてとの事でした(笑)
身元のしっかりした外国人留学生の方は大家さんが近くに住んでいない投資用マンションに入居されることを強くお勧めします。

事例その3.単身高齢者

高齢者の入居も大変難しいです。理由は二つです。

・高齢者の保証人は高齢者

50代の入居者の両親は大体70歳から80歳だと思います。ほとんどの方が年金暮らしです。親戚や兄弟も高齢です。言い方は悪いですが、いつ何があるかわからない保証人は保証人として成り立ちません。年金暮らしの方を保証人として認めてくれる大家さんもとても少ないです。

・事故物件にしたくない

とてもシビアな話になってしまうのですが、私の出会った事のある物件を探している高齢者は大体夫婦ではありません。単身の方です。訳あってパートナーの方と離婚されたのか元々独身かまでは聞ける立場ではないので聞きませんが、とにかく単身の方です。高齢の単身の方がアパート内で亡くなった事故物件は山のようにあります。高齢夫婦であればパートナーが体調が悪くなった時点で救急車を呼んだり病院に連れて行ってくれるのだと思いますが、単身なので亡くなっても誰も気付きません。家賃滞納や悪臭で大家さんが気づいた時にはもう手遅れです。この物件は事故物件の看板を背負い、大家さんはこびりついた匂いをとるための清掃代や遺品の処分代を支払うことになります。申し訳ないですがこの話を聞いて私も大家なら高齢者の入居は断りたいと思ってしまいました。

如何でしたか?特殊な例もあったので実感のわかない部分もあったと思うのですが、とにかくお部屋探しに重要なのは【自分の内容】【保証人】ですね。もしご自分の自信のない方は先に不動産屋さんに内容が良くないことを伝えてください。少しですが逃げ道になる物件もありますよ!
皆さんも上記のようなトラブルにならないようにくれぐれも気をつけてください。”