- 大家さんからいきなり物件から出て行ってと言われた!どうしよう、、
- 立ち退いた場合は大家さんから迷惑料はとることができる?
- 立ち退きはそもそも拒否できる?できない?
今回は賃貸物件で大家さんから立ち退き要求があった際の疑問や解決策について解説していきたいと思います!
賃貸で立ち退き請求があった際の通常の流れと対応方法
まずは、賃貸物件の大家さんからあなたへ立ち退きを求められた場合の対処法からです。
賃貸物件は通常借主の都合で入居したり、退去したりしますよね?しかし、ある日大家さんからいきなり立ち退きを求められるケースもあるのです!
あなたが借りて問題なく住んでいて、引越しの予定もない時に、大家さんから立ち退きを求められたり、立ち退きを要求する書面が送られてきたらどうしますか?
恐らく急な立ち退き要求は誰もが慌ててどうすれば良いかわからなくなるでしょう。
そこで、この項では大家さんから立ち退きを求められた時の対処法や、交渉のしかたを箇条書きでまとめてみました!
1、立ち退き要求書の内容確認
まずは、大家さん及び管理会社から送られてきた立ち退き要求書をしっかり確認しましょう。
立ち退き要求は管理会社や大家さんから直接電話で来る場合もありますが、大体は郵送で書類が送られてきます。
もし電話できたら、すぐに返事はせずに一旦折り返すことを伝え対策を練りましょう!
2、立ち退きを要求する理由を確認する
次になぜ、あなたが立ち退きをなぜしなければならないのか、理由をしっかりと確認しましょう。
あなたに落ち度がある場合(家賃滞納やペット不可の物件でペットを飼育、騒音・隣人トラブル)は別ですが、大家さん都合での立ち退き要求された場合は借主側のあなたに落ち度がないかぎり強制執行はされませんので、冷静に確認することが大切です。
大家さんが入居者に立ち退きを要求する場合については借地借家法に記載があります。
『借地借家法第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
建物の賃貸人による第26条第1項の通知(更新拒絶の通知)又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、(略)、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。』
以上からわかるように正当な理由がない限り、いくら大家さんと言えど、立ち退きを要求することができないということです。
正当な理由は具体的にはどのような理由かというと
①建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む)が建物の使用を必要とする事情
②建物の賃貸借に関する従前の経過
③建物の利用状況
④建物の現況
⑤建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出の有無・内容
の5つの項目が正当な理由として考慮されるということです。
少々難しいので具体的なケースをあげます。
ケースその1.建物の老朽化による建て替え工事を行う
建物の構造にもよりますが、築年数30年前後あたりから建物の老朽化が進むと言われています。
具体的には耐震性や耐火性などに支障が出てくるのです。
老朽化した物件を修繕しないまま事故を起こしてしまうと、大家さんにすべての責任が課せられてしまいます。ですので大家さんが補強や建て替えの工事を行いたい場合は入居者に立ち退きを求めることが多いです。
ケースその2.建物を貸主が必要とする事情ができた
これは分譲マンションを賃貸に出した場合に多いケースなのですが、転勤するのでマンションを賃貸に出し遠方に暮らしていた大家さんがマンションに戻ってくる場合、大家さんの所有物であるマンションで生活するために借主に立ち退きを求めるケースがあります。
ケースその3.あなたの契約違反が発覚した場合
たとえば単身用物件で秘密で同棲していたり、ペット禁止の物件で借主がペットを飼っていた場合など、あとは借主が家賃を長期間滞納している場合など、賃貸借契約を違反している場合は大家さんは借主に立ち退きを求めることができます。
この場合は立ち退きをせざるを得ません。
つまり大家さんの都合や感情的な立ち退き要求は不当ですし、正当であってもあなたに落ち度がなければ受け入れる必要はないということです。
賃貸の立ち退き請求での【迷惑料】の相場は?
迷惑料の相場というのは明確には決まっていませんし、法律で定められてもいません。
しかし一般的に多いのが賃料の6カ月分程度です。
なぜ6カ月分かというと次借りる賃貸物件の初期費用+引越し代です。
通常賃貸物件を契約する際は賃料の5カ月分が必要と言われています。敷金、礼金、前家賃、仲介手数料、諸費用が内訳です。
賃貸物件の契約時にかかってくる初期費用に関しては、「賃貸に必要な初期費用は?初めて賃貸する方へ」の記事を参考にしてみて下さい。
ちなみに、実際に立ち退きで引っ越しに迫られている方には、ポータルサイト等に上がっているお好きな物件を「【成功率98.9%】賃貸の初期費用を極限まで安くする方法 」で初期費用を安くする方法も書いていますので参考にしてみてください!
そこに引越し代数万円を上乗せして若干お釣りがでるかな?という金額が賃料の6カ月分なのです。
迷惑料というよりは、大家さんからすれば『この物件に変わる新しい物件の初期費用と引越し代は支払うから出て行ってください』というスタンスです。
これはあくまで一般的な金額であって、大家さんの経済状況によっては数万円という提示もあるかもしれません。
その場合は交渉してお互いの妥協点を探ることになるでしょう。
【立ち退き請求時の交渉方法】拒否できる?迷惑料の上乗せ方法は?
結論から申し上げると、あなたに落ち度のない立ち退き請求には強制力はありません。
【立ち退きは拒否できます!】
そして『立ち退いても良いけど、もう少し迷惑料がほしい!』という欲張りなあなたのために迷惑料を上乗せする裏技をお教えします!
迷惑料を上乗せするには大家さんや、管理会社を相手に交渉する必要があります。
先ほど申し上げた家賃の6カ月分は貰えたと仮定しましょう。それでももっとほしい方は「立ち退きするために発生する費用)の見積りを準備して交渉しましょう!
次の入居先の初期費用と引っ越し代以外で思いつく費用としては
・プロバイダーの移設費
・物件探しのために仕事を休んだのでそのお給料分の手当て
・引っ越す前の物件が家具家電付き物件だった場合は新しい物件の家具家電費用
・新しい部屋に今の部屋の用品のサイズが合わないから買い替え費用(例えばカーテンのサイズやガスコンロのサイズ、洗濯機置き場のサイズや冷蔵庫置き場のサイズが合わないなど)
こういった引越しと初期費用以外に必要なお金をしっかり計算して交渉することがポイントです。
多くの大家さんは早くあなたを退去させたいので、立ち退き料の上乗せは相談に応じてくれる場合が多いですよ!
またもっとシンプルな上乗せの交渉方法もあります。
それは新しい物件の初期費用の見積と引越し費用の見積を持っていくことです。
見積を持っていけば大家さんの想定金額よりは高くても大体の大家さんは納得するでしょう。
なんとか今の物件と匹敵する新居を見つけたものの、現在の賃料より少し高くなってしまうという場合にも交渉してみる価値はあります。
【立ち退きに関しての法律】6ヶ月で出る必要あるって本当?
最後に立ち退きに関しての法律について解説していきます!
賃貸の契約書には、一般的には
「契約を貸主側から解除する場合は、文書で半年前までに予告しなければならない」
というような文言が記載されています。
では、契約書のルールにのっとり立ち退きの要求を大家さんからされたら、半年後には絶対に自分で引越し先を探して出ていかなければならないのでしょうか?
お引越しには新しいお部屋を探すための時間もかかりますし、賃貸物件を契約するための敷金や礼金、仲介手数料などの出費も相当あります。
立ち退きを要求されてから半年でこれらの時間と費用を準備できない方も大勢いると思います。引越しするための費用が経済的な理由で準備できない場合は、強引に立ち退きをさせられると住むところがなくなってしまうのでしょうか?
考えるだけで不安ですよね。
しかし借主をこのような不安から守るために『借地借家法』という法律があります。
あなたが契約違反をしたり長期間家賃を滞納したなどの正当事由がなければ、例え通知が半年前にあったとしても、大家さんは強制的にあなたを立ち退かせることはできません。
この権利は、今はまだ法律で決まっているものではありませんが、借家権と言われる権利です!
つまり、大家さん都合での賃貸の立ち退きの場合は、いくら上の項でご説明した「正当な理由」に当てはまったとしても強制的に応じなければならないものではありません。
立ち退きに関してのよくある落とし穴
よく大家さんに騙されがちなケースが『そろそろ賃貸契約期間2年経つから立ち退いて欲しい』というケースです。
定期借家なら別ですが、普通の賃貸契約を結んでいるのであれば、仮に大家さんが2年の期間満了を理由に立ち退いて欲しいと要求してきても、賃貸契約は自動更新が基本ですので、あなたが退去申請も出さず、更新料も支払えば強制的に立ち退きさせられることはありません。
大家さんが指定した立ち退きの期限が過ぎても、その後正当に家賃を支払っていれば、あなたは住み続ける権利があるのです。
あなたに出て行って貰いたいがために、家賃の受け取りを大家さんが拒んだ場合は、国の機関の供託所に相談しましょう。
供託所に家賃を預けると、あなたに変わって大家さんに家賃を支払ってくれますよ!
【さいごに】
今回は賃貸物件の立ち退き要求についてまとめてみました!突然立ち退き要求を受けると、どう対応していいか分からず落ち度がなくても退去してしまう方が殆どだと思います。
大家さんと話し合い立ち退き料などで合意し納得できれば立ち退いても良いのかもしれませんが、不当な一方的な要求は飲む必要がないことがわかりましたね!
大家さんとの条件交渉が難しい場合は小額訴訟を起こし弁護士などの第三者を入れて解決することも視野に入れてもいいのかもしれませんね!
それでは、また!